
心理インストラクター・
カウンセラーのイヌカイです。
カウンセリングを受けに来られる方の中でも、
自分の感じている感情がいったい何なのかわからないとおっしゃる方は
かなり多くいらっしゃいます。
たとえば、恋人や友達、同僚などとの関係の中で、いい子でいようと思うあまり、
その時心の中で感じていることを押さえつけて殺してしまい、
どんどんと鈍感になっていってしまっているということに心当たりはないでしょうか?
自分の感じている感情をしっかりと見つめることができること、
必要であればそれを相手に伝えること、
その場が感情をそのまま表すのにふさわしくなかったとしても、
その後で自分をケアしたり、抵抗感なく相手への伝え方を上手にしていくこと、
これらは心の健康度を保つためにとっても大事なことです。
自分の感じている感情が分からなくなってしまった時には、
「頭で考えるよりも感じることを優先しましょう。」だとか、
「瞑想しましょう」とか色々な対処法が紹介されていますが、
実はそれ以前に自分の体で感じている感覚に対して、感度を上げていくことが
大事で必要なんです。
今回の記事ではそんなテーマについて詳しくお話をしていきます。
もくじ
感情を抑圧して遠ざけることが解離の原因に
自分の感情や気持ちを、抑圧、つまり押さえつけて感じないようにすることって、
ほとんどの人にとってはかなり小さい頃からのクセになっています。
おそらく、家庭や学校生活において、その時はそうしないと
うまく生きていくことができないと思って、
小さいながらも一所懸命に必死にがんばったんですね。
あくまでも、その時においてはそれが最善手だったんですよ。
決してそのことは否定するようなことではありません。
むしろその時の自分に「よくがんばったね。」
「 もうそんな辛い思いしなくてもだいじょうぶなんだよ。」と
声をかけてあげてほしいくらいです。
というか、どんどんかけてあげましょう。
ただし、抑えることがクセになってしまい、長年それを続けてきてしまったせいで、
その感情がいったい何だったのか分からなくなってしまうというのが、
今回のテーマであるわけです。
抑圧している、抑えつけているのがまだ自分の意識の中で分かっている状態であれば、
まだそこまでややこしいわけではないんですが、
抑えつけているのが続きすぎて、もはや心の奥の奥の方に遠ざけて
しまいこんでしまっているような状態、
いわゆる『解離』というステージに入ってしまっていると、
比較的ではありますが、少々改善していくのは大変かもしれません。
人によっては、感情だけでなくそれにまつわるエピソードなどの記憶すら
思い出せないということもあります。
ただ、最初から自分一人で何とかしようというのが少々難しいというだけで、
適切なカウンセリングなどを受ければ十分に解決は可能です。
解離させるほどの辛く重い感情や記憶ですから、場合によってはそれが蘇ってきた時に、
パニックのような状態になることがありますので、
そこに取り組む際のカウンセラー選びは、そういった状態に対応できる能力を
持っている人かどうかを十分に確認することをおすすめします。
大体の場合、自分一人だけで思い出す分には安全ブレーキがかかるので、よっぽど大丈夫ですが、
(ただし、怖いと思ったりきついと感じたりしたらすぐに中断してください。)
危険なのは、 誰かの誘導で思い出す時ですのでご注意を。