
何かの出来事があったとき、瞬間的にパッと浮かぶ考えを
『自動思考』といいます。
心のクセともいえる『自動思考』の中にこんな内容がよく出てくるなら要注意。
「〇〇するべき!」
「××さんに嫌われたなら、みんなに嫌われてるはず!」
「100%△△じゃなかったら意味がない!」
そういった極端な物事のとらえ方は、心理療法の世界では
『認知の歪み』といいます。
少しでも心理学のことをかじったことのある人なら
聞いたことがあるかもしれませんね。
こういったとらえ方、考え方を持っていると
とても生きづらいですし、ひどい場合にはうつなどの
心の不調をまねく原因になっていきます。
そこまでいくとちょっと怖いですよね。
今回はそんな『認知の歪み』について解説しつつ、
どうやってそれを矯正・解消していくかについて、
お話していきます。
あなたがこれから自分自身と向き合って生きていくのが、
ちょっとでも楽になるといいなあと思います。
ぜひ、役に立ててもらえればうれしいです。
そもそも『認知』って『歪む』の?
まずはこの大前提から一緒に考えてほしいのですが、
『歪む』ってそもそも良い意味で使われないですよね。
「あの建物は歪んでる。」って言われたら、そこには住みたくないですし、
「●●さんは性根が歪んでるから…」とかって言われてる人がいたら
あまりお近づきにはなりたくないです。
それを踏まえるとですね、『認知が歪んでる』って
あたかも悪いことのようですよね。
むしろ当たり前のように、それが悪いことって思ってたんじゃないでしょうか?
ここにひとつの大きな落とし穴があるんです。
なぜだと思いますか?
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それは『認知が歪んでいる自分』を“悪”だととらえてしまうことです。
つまり、自分自身の否定につながってしまうのです。
これを続けている限り根本的な解決にはつながらないですし、
むしろ、状態は悪化していきます。
『認知の歪み』を治そうとして、何かあるたびに
「いや、そんな考え方じゃダメだ!」なんてやっていると、
表面的には良くなってる感じがするかもしれませんが、
心の奥底では問題がややこしくなっていっている可能性が大です。
じゃあ、『歪み』じゃなかったらなんなの?って話ですよね。
『歪み』ではなく『偏り(かたより)』
その『歪み』だと思っている『認知(とらえ方)』に
デメリットが多いのは確かなんですよね。
ひとつの問題ではあることは間違ってないのです。
じゃあ、いったいその生きづらさを生んでいる『認知』って、
なんなんでしょうか。
それは、一言で言ってしまえば『偏り(かたより)』です。
要は極端すぎてバランスを崩している状態。
だから、あまり良いことはないのだけど、
だからといって100%悪いというワケではない。
ここすごく大事なトコロなんですよ。
(『歪み=悪』ってなっている時点で、それ自体が
「認知の歪みはなくすべき!」っていう思考に
なってしまっているのはすごく皮肉なことですね。)
「この『認知』って歪んでるなぁ、これは良くないから
矯正して直さないといけないなあ…」
なんて考えているものがあるのなら、一度こんなことを考えてみてください。
「その認知、とらえ方で得られるメリットってなんだろう?」
「その認知、とらえ方をするとどんな良いことがあるんだろう?」
「その認知、とらえ方をすることで何が手に入るのかな?」
それは物質的なもの、モノやお金だったりするかもしれませんし、
仕事の成果や人間関係などのカタチのないものかもしれません。
はたまた、感情や感覚のようなものかもしれないですね。
まずは、いろいろな視点から考えてみることをおすすめします。