
自己啓発系やスピリチュアル系でよく言われる
『自分を一番大事にしなさい』というようなアドバイス。
一見ものすごく正しいことのように思えますよね。
『自分を大事にすること』そのものは私も良いことだと思います。
ところが、現実の世界では“相手”が存在します。
だから問題はそうカンタンではないのですね。
「自分を大事にしなさいって言われるから、
自分を大事にしたら自己中と言われてしまう…」
「いつも自分の言いたいことを言わずに我慢していたら、
言いたいことははっきり言えと言われてしまう…」
「自分一人で楽しんでももったいない気がする…、
友達やパートナーに喜んでもらって認めてもらう方が嬉しい。」
「自分より能力や才能がある人がいるのになぜそういう人を優先して
大事にしないのか分からない ・・・」
そんなふうに悩んでしまうことは自然なことです。
『相手に合わせるんじゃなくて、自分の主張したいことを主張したり
その時の感情をそのまま出したり自分の気持ちを優先する。』
それが大事なことも分かるし、
一方でいつも他人の都合より自分の都合を優先していたせいで、
結局人から嫌われて孤立したりしてしまったら、
回り回って自分を大切にできなかったってことじゃないの?
という疑問も当然わいてきますよね。
だいたい、人によって「自分を一番大切にしなさい」って言ったり
「自分のことばっかに目を向けず他人の役に立つようなことをしなさい」って
言う人もいたりして、
「正直どっちが正しいんだ?」と混乱して板挟みになってしまう…
これってすごくモヤモヤしますし、迷って行動もしづらくなってしまいますよね。
そこで今回は、『自分を大切にすること』と『他人を大切にすること』をテーマに
- 心の中の状態の解説
- 迷いを乗り越える視点について
- 心における自分と他人の関係
についてお話していきます。
迷うとき心の中ではどんな状態?
自分を大切にすることとも、他人を大切にすることも、
結論から言ってしまうとどっちも大事です(笑)
でも実際の場面などで、
それが両立しているイメージが持てないから悩んでしまうわけですね。
そこでまずは、「自分を大切にしてないかも…」と思うようなときに、
心の中の状態がどうなっているのか理解をすることで、
理想の状態のイメージを持てるようにしていきましょう
ここでポイントになるのが積極的・能動的かどうかです。
つまり、自分でやろうとして前向きにやっているのか、
いやいや感を抱えながらやっているのか、ということです。
積極的にできていないというのは、逆に言いかえれば消極的・受動的ということ。
その場合にはだいたい下記の2パターンになりますから、くわしく解説していきますね。
①依存的パターン
まず一つ目のパターンは相手に何かをしてあげることで、
感謝や承認などの反応をもらいそれによって心を安定させているというパターンです。
このパターンの方は、以前に書いた依存に関する記事にもあるように、
最終的に孤独な自分を受け入れることができなかったり、
その手前で、『人に承認されなければ自分には価値がない』(“承認されない自分”の拒絶)
という思い込みを持って いたりします。
そして、自分がやりたくないことや、その気持ちよりも、
相手の反応による心の安定を優先させてしまいます。
(それをしないとものすごい恐怖感や不安感が襲ってくるのです。)
そして、自分の気持ちや意思を素直に表す自分を否定して
『普段の自分』から追い出してしまいます。
それが続くとさらに自分の主張ができなくなり、
普段の自分に対して、追い出された自分がストレスを与えてくるように…
こんなふうに否定、拒絶から心が分かれてしまうことが、
ほとんどの心の不調の原因でもあるのです。
②習慣的パターン
二つ目のパターンは長年の習慣により、自分より他人を優先させなければならない
という思い込みを持っている場合です。
この大元には子供の頃に親や家族に対して①のパターンを持っていた可能性が高いです。
また、自分がガマンすることでつらい状況を切り抜けてきたのかもしれません。
このパターンでは自分がなぜついついそうしてしまうのかにすら、
疑問を抱いていないことも多いので、
実は自分の主張や気持ちを抑えていることに気づくことが重要です。
隠れたストレスが蓄積していることもありますのでけっこう大変な状態かもしれません。
もしも、ストレスに気づくことができたなら、
自分に向かって
「よくここまでがんばって切り抜けてきたね。すごいね。えらいね。」
といった言葉をかけてあげることで、心の栄養補給をしてあげるといいですよ。