【自己啓発・成功法】『ネガティブな感情が成功を呼ぶ』トッド・カシュダン&ロバート・ビスワス=ディーナー

ジャンルを心理学にするのか

自己啓発・成功法にするのか迷いましたが、

一応タイトルにしたがうことに。

 

ポジティブがもてはやされるようになって久しいですが

そんな世の中の流れに一石を投じる本です。

 

ネガティブ感情の有益さや

ポジティブ一辺倒の危うさを

しっかりしたエビデンスを元に説いています。

 

とてもバランスの良い

控えめにいっても名著だと思います。

 

 

[こんな本です]

こちらは出版社の紹介文

100%ポジティブをめざす人よりも、20%のネガティブ時間を有益に使える人のほうが、
仕事でも学問でも成功し、 幸福な人生を歩める!

怒りは想像力の燃料となる、罪は改善を促す、自己暗示こそがパフォーマンスを向上する、
わがままは勇気の源だ、非情(マインドレス)がよりよい決断につながる――。
ポジティブ心理学の若手精鋭研究者による、心のダークサイド(暗い部分)がもたらす
効用に関するユニークな論考。
どのような状況にも素早く対処できるように、あえていろんな感情に目を向ける力を持つこと、
ありのままの自分と付き合うことの大切さをわかりやすく説く。

 

あなたは感情や思考について

ネガティブとポジティブどちらが大事だと思いますか?

 

答えは両方大事!

じっくりと考えてみればそんなの当たり前なんですが

昨今の“ポジティブ教”に浸かりきってしまっていると

そんなことすら忘れてしまっていたりします。

 

本書の言葉を借りれば

“どんな感情にも意味がある”のです。

デメリットしかなければ

進化してきた中で無くなっていったはず。

 

どんな感情にしろ、それに振り回されて支配されることに

問題があるわけで、うまく付き合って使いこなせれば

どれほどお得でしょうか。

 

本書では両方の心理状態を行ったり来たりして

うまいこと乗りこなせるようになることを

「全体性(ホールネス)」と呼んでいます。

 

人間に与えられた自然な感情をすべて活かせる人、
つまりポジティブ感情もネガティブ感情も受けいれて
幅広く活用できる人が、もっとも健全であり、
人生において成功する可能性が高い。

この結論は本サイトの記事のベースであり

解説もしている「統一場心理学」とも共通しています。

「統一場心理学」は主に観察と論理による

積み重ねにより構築されていますが、

本書は調査に基づくエビデンスがもとになっており

両方が補完しあう内容でもあるかと思います。

 

[なるほどポイント]

ここからは特に印象に残ったところをご紹介します。

 

〈アジア人と欧米人の違い〉

まず、なかなか面白いと思ったのは欧米人とアジア人の

感情に対する捉え方の違いです。

アジア人は感情の表現を抑える傾向があるにしても、
感情の経験そのものを抑圧するわけではない。
むしろ、不快な情動経験に対する耐性が非常に高い。
悲しみやいらだちを感じた時、彼らは欧米人のように
気晴らしに走ったり冗談でごまかそうとしたりしないということが、
調査の結果に表れている。

p.73 第2章 快適な生活がもたらしたもの

ひとことで言ってしまえばガマン強いってところでしょうか?

ただ、個人的な印象ではありますが、最近の日本人については

この不快な情動経験に対する耐性は落ちているうえに

耐えることを一方的に否定する傾向が流行しているように思います。

いわゆる「楽しいことだけ・・やってりゃいい」系の言説ですね。

これもおそらく欧米化(特にアメリカ的ポジティブ、ニューソート系思想)

の影響がいくらかあるでしょう。

 

もちろん、ガマン強いがゆえにストレスを溜め込みやすく

自己表現の優先順位を下げて、自己犠牲的になってしまう面も

当然あると思います。

 

やはり両方をTPOに応じて有効に使いこなせることが

キーポイントであり、

本文にもあるように

アジア人は、非常に悪い状況にあっても不安によく耐えられるのに、
最高に幸せな瞬間には、幸福感を少々犠牲にしてしまうようだ。

p.75 第2章 快適な生活がもたらしたもの

と耐えるだけでは損をしてしまう面もあります。

 

ポジティブであれネガティブであれ、わいてきた感情を

別の感情でごまかして抑え込むというのは、結果的に

心の中を分断させてしまい、自由に使えない部分を作ってしまいます。

 

ネガティブ感情にも強弱がありますので、いきなり全てに耐えて感じる

というのは無茶ですので、感じるられる力を身に着けていくトレーニングは

必要でしょう。

 

〈意外なネガティブ感情の役立つ面〉

ネガティブな感情がもたらすメリットについても、しっかりと記されております。

特にもっとも嫌われる3つのネガティブ感情として

  • 怒り
  • 罪悪感と恥の意識
  • 不安

があげられています。

全部を紹介するわけにはいきませんが

「怒り」について

交渉の場面で怒りが役立つ場合がある

なんてのはイメージしやすいと思いますが

怒りの感情は創造性のひらめきを生じさせる

なんていうすごく意外なメリットもあるようです。

これは「レンガの使い道」を考える実験なんかが

紹介されていました。

 

「罪悪感」や「不安」についても同じように

有用性が示されていたり、活かし方などが書いてあるので

けっこう目からウロコですよ。

 

その逆でポジティブな感情の落とし穴についても

次の章で言及されていて、そちらも一読の価値ありです。

 

〈とりあえずマインドフルネスしとけばOK?〉

実はこの本が特に面白いと思うのは

第5章の「マインドフルネスにとらわれるな」です。

ここ10年ほどのマインドフルネスブームってすさまじくて

本屋にいったりネットを開けば、猫も杓子もマインドフルネスです。

 

よくご存知ない方にカンタンに一言でいうと

「今、この瞬間に意識を向け続けること」です。

(流派や人によって微妙にニュアンスが

違ってきたりしてるようですが…)

 

もちろん私もマインドフルネスの有効性は重々理解していますし

セッションなどの場面でも積極的に活用しています。

 

なんだけど!

心のことに関して「これだけやっとけばOK」とか

「この考え方(あるいは視点)をもってれば十分」

「この状態にさえなれば完璧!」

なんていう唯一のものみたいなのは世の中に存在しません!

(正直、心のことに限らず、それなりに複雑なものは

なんでもそうだと思いますけど…)

 

マインドフルネスが全てを解決すると考えているということは

皮肉なことに、マインドフルネスで“とらわれ”から抜け出そうとしながらも

それにとらわれているとも言えます。

 

マインドフルネスも有効かつ重要ではありつつも

そうでない状態(本書ではマインドレスと呼んでいます)も

同じく有効で重要である理由が本書では詳細に語られています。

 

本書にあげられているマインドレスな状態の担う役割の中でも

個人的に特に注目したのは「創造性」というところ。

 

マインドフルネスは「今」に居続けるので

「過去」に蓄積してきた情報は一旦置いておくことになります。

そうすると当然ながらその情報を組み合わせたりすることは

できませんので、新しく何かを創造するということは

極めて難しくなるでしょう。

 

以前、マインドフルネスを世界に先駆けて社員研修に導入した

Google社の方で、マインドフルネスにハマり過ぎて

クリエイティビティが失われてしまったと主張する方の

ニュースもありました。

 

結局これも結論は同じで

心が柔軟な人たち、つまりもっとも成功している人たちは、
マインドフルとマインドレスのどちらかに凝り固まることなく、
双方を行ったり来たりできる。

p.172 第5章マインドフルネスにとらわれるな

ということです。

 

(余談ですが、マインドフルネスや変性意識状態などについては
包括的かつ論理的にその状態を記述できている心理学は
皆無といっていいと思います。
このあたりのテーマは現在仲間と研究中ですので
いずれ、ある程度形になったら公開させていただく所存です。)

[感想まとめ!]

アメリカ人の先生がアメリカ人に向けて書いた本なので

具体例などが若干、日本人にはピンときづらい部分もあるかもしれません。

(日本での研究例も取り上げられており、

本の内容が偏っているという印象は受けませんでしたが。)

 

それでも、視点をより幅広く自由に豊かにしてくれるのに

一役かってくれる書籍だと自信をもっておすすめできます。

 

もしよかったら一読してみてくださいませ!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

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