
Facebookでフォローさせていただいている
ライター、イグゼロさんの書かれた本です。
ブログやFacebookに投稿される
独特の視点と分かりやすく楽しい表現で
書かれた記事を読むたびに
「ほぉー」とか
「うーむ」とか
「すげー」などと
いつもうならされております。
[こんな本です]
では、紹介文から。
人間の普遍的な考え方を、非日常的な物語に乗せて綴った32のショートストーリー集。
普段意識しないような事を、ユーモアや皮肉、あるいはドラマティックなストーリーを読むうちに
気がついていく仕掛けとなっている。
amazonの商品ページには[著者からのコメント]も
掲載されておりますので、ぜひ合わせて読まれると
良いと思います。
さて、紹介文にもあるとおり、
この本に書かれていることは
「普遍的」なことです。
結論だけ抜き取れば、
多少自己啓発本や能力開発本の類を
かじったことがあるような方なら
「当たり前」と思うことかもしれません。
ですが!
この本の面白いところはそこではありません。
その「当たり前」と分かっていながらも
自分のハラに落ちていないことが
上質な「物語」として読むからこそ
“すっ”と無意識に染み込むような
感覚が得られるんですね。
また、何人かでひとつのストーリーを読んで
感想をシェアするのも一興です。
それぞれに注目するポイントが違ったり
解釈が違ったり、ふくらませ方が違ったり
自分と違う視点が加わることで
得られるものも豊かになります。
[なるほどポイント]
正直全部のストーリーを読んでほしいんですが…
ここでは私のお気に入りのストーリーをいくつかご紹介。
嘘のない世の中
「もう、本当にうんざり」
彼女は、画面の向こうにいる女友だちに向かってキーボードを叩いた。
「世の中ってウソばっかり。みんな口では耳触りのいいことを言っているけれど、
心の奥では何を考えているのか、わかったものじゃないわ」今の彼女には、自分のまわりにいる人も、テレビやインターネットで目にする情報も、
どれもこれも、嘘ばかりに思えて仕方がなかった。
もうこの冒頭のところから
この後どうなっていくのかワクワクしませんか?
シニカルながらもなんだかこの世が好きになる
この↑お話や、
落とし穴つきエレベーター
男は、いつのまにか小さな部屋の中に放り込まれていた。
部屋は二メートル四方くらいの大きさで、すべての壁がガラス張りで、外には綺麗な景色が広がっていた。
高さでいうと、三階建ての建物から景色を見ている感じだろうか?
部屋の中は殺風景で、何も置いていない。「部屋」というよりは、ガラス張りのエレベーターといった風だ。男がふと床に目をやってみると、白い床に一枚のコインが落ちていた。
何気なく拾ってみると、表には「幸運」。そして裏には「不運」と書いてあった。
なにかにチャレンジしている人
またはチャレンジしようとしている人には
特に響くこんな↑お話。
個人的には男の最後の一言が最高でした。
アイツとの違い
なんでアイツは、運がいいんだろう?
同じ町で生まれ、同じ町で育った。背格好もそれほど変わらないし、
学校での成績も、ほとんど同じようなものだった。
アイツも私も、運動神経も同じようなものだったし、
外見だって、それほど差があるとも思えない。なのにアイツは、ことあるごとに、ラッキーをつかむ。
少々ピリッとスパイスの効いた
ちょっと自分を振り返ってみたくなる
こんな↑お話もあって飽きることがありません。
[感想まとめ!]
今回はこちらの本、
電子書籍版で購入して
スマホで読んでいました。
この本は
その時自分が置かれている状況や
自分のレベルによって
そのストーリーのとらえ方が変わったり
お気に入りのストーリーが変わったりすると思うので
ふっと気がついたときに読めると
いいのじゃないかなと。
なので、電子書籍版でスマホに入れて読む
というスタイルは相性がいいです。
もちろん、大ファンの方は単行本を本棚に(笑)