【哲学・思想】『構造構成主義とは何か』西條剛央

去年の冬ごろ読み始めたのですが、
難しくてなかなか読み進められなかった本です(;^_^A

[こんな本です]

 

出版社の内容紹介から

人間科学に仕掛けられた「呪」を解くため,相応の理論的基盤整備が求められている。自らの学範の相対性を認識し,異なる領域と建設的なコラボレーションを行うことを可能とする認識装置(メタ理論,共通原理,総合ルール)の備である。本書で明らかにする「構造構成主義」こそが,そのために体系化された認識論である。

 

 

著者の西條さんはこの本を出版されたとき

まだ30代前半というすさまじい天才のようです。

 

この本のテーマは「信念対立の解消」

要は異なる研究分野や学問の間で起こる対立を

どうやって乗り越えて、どうやって手を組んで

より有益なものを生み出していくのか。

 

といったところです。

 

 

自身も理論を扱う者の端くれとして読んでみました。

 

哲学とか科学論の書籍としては分かりやすく書かれていると

言われていましたが…

 

こういった本を読みなれていない私にはかなり難しかった!

(文章は読みやすいけど内容が難しい!)

 

なので理解できた(と思える)(笑)

範囲で感想とかを書いていきますー。

 

 

[なるほどポイント]

 

◎「人間の科学」の呪

 

人間科学は、人間的事象の「曖昧な側面」と「確実な側面」といった両側面を包括する総合性を有すると同時に、「科学」を標榜するために、深刻な信念対立が生じるのである。p.7

 

物理学なんかはだれがどう見ても確実なコトを

扱うわけですが、人間を相手にしたとたん

あいまいなコトが含まれるようになってしまう。

 

なぜかというと人間を語ると主観でしか分からない

こと(統一場心理学でいう内的観点)がある。

 

人間を科学するとその確実なコトとあいまいなコトの

両方を含むゆえに対立が起こるとのこと。

 

◎「人間の科学」の呪

 

特に「直接現場に有益な知見」に関心のある研究者からみると、基礎科学的知見は「役に立たない」ものに見えてしまう。-中略― 現場研究者にとっては、「直接現場の人を支援する」という自らの関心はあまりに当然のことなので、通常対象化されることがなく、暗黙裡に正しいものとされているためである p.8

 

現場の研究者が基礎研究とかを「役に立たない」と

いうときには「直接現場の人には」というのが

頭に知らず知らずのうちについているのだけど

本人たちには当たり前すぎて自覚されていない。

これも対立が生じるパターンの一つ。

 

さらに「人間による科学」の呪というパラグラフも

あるのだけどここでは割愛。

 

◎信念対立超克のための現象学的思考法

 

信念対立をもたらす「呪」を解くにはどうすればよいだろうか。第一に、一度自らの「Aこそ正しい学問だ」「Bこそ正しい学問だ」といった確信については「括弧に入れて」、戦略的に「判断中止」する必要がある。「A(B)こそ正しい学問だと思っているけども、それはまあいったん置いておこう」というわけである。これが現象学で「括弧入れ」「判断中止」「エポケー」と呼ばれる「思考方法」である。

第二に、「判断中止」をした上で、「Aこそ正しい学問だ」という確信がなぜ、どのような経験により生じてきたのかを問う」。これを「還元」という。p.40

 

現象学の方法で信念対立を乗り越えようというお話。

  • とりあえず「どっちが上」かと考えるのをやめる
  • なんで・どんな経験でその確信が生まれたのか考える

という方法が有効だそうです。

 

いわゆる「抽象度を上げる、チャンクアップ」という

方法に近いのかなと思いました。

 

 

◎関心相関性

 

たとえば、死にそうなほど喉が渇いていたら「水たまり」も「飲料水」という存在(価値)として立ち現れることになるように、〈存在・意味・価値は主体の身体・欲望・関心と相関的に規定される〉 -中略― 使用される文脈(目的)によって、まさに関心相関的に、その相関基軸を「身体」「欲望」「関心」のいずれかに変えることが可能である。

構造構成主義では人間科学における信念対立を解消し、より建設的なコラボレーションや創造的な研究を可能とするため、この原理を中核原理とする p.54

 

たとえば、何かを食べて「絶対的なおいしさ」を感じた場合に、自然的態度では「わたしがおいしいと感じるのはその食べ物がおいしいからだ」と考える。この時、自分が感じた「おいしさ」に主観的な好みが関わっていることは忘れ去られている。 -中略-

しかし、ここで一度自然的態度を「判断中止」すれば、その時はお腹が空いていおり(身体)、食欲が旺盛で(欲望)、食べ物に強い関心のあるときであったから「とてつもなくおいしく感じたかもしれないし、また逆にお腹いっぱいで食べ物をみるのも嫌な状態であれば、その「おいしい」という価値がその人に立ち現れにくいことは容易に想像できるであろう。P.54

 

「〇〇が一番いい!」と言ったところで

それは結局その人の「関心」と切っても切り離せない。

結局、研究とかでも同じことをやってるんだよと。

私たちの日常生活では何をかいわんやであります。

 

こんなふうになにか意見が対立したときに

「価値」とか「意味」にまとわりついてる

「関心」にフォーカスして、それをはっきりさせると

もっとちょうどいい価値判断ができるよということ

だそうです。

 

[感想まとめ!]

 

対象が「人間科学」となってますが

日常生活にも十分に応用ができる内容だと

思いました。

 

正直、中学生くらいになったら

義務教育で教えてあげてほしいくらい。

 

ちなみに今回とりあげた内容で

ページは4分の1もいかないくらい。

 

この後の「言葉」についてもとても

面白かったです。

 

さらにその後の内容はかなり高度な

応用編だったので一通り読んだものの

まだまだ内容の理解というところには遠いです。

 

とはいえ5章までだけでも読むと

かなり素晴らしい考え方・価値観が身につくと

思います。

 

ぜひ、一読をおすすめします。

 

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